頻尿(過活動膀胱)について
過活動膀胱について
- 膀胱を制御する神経の異常によって、尿意が予期せず突然起こってしまうことを繰り返す状態
- 文字どおり「膀胱が活動し過ぎる」状態を指す
- 膀胱内に尿がそれほど溜まっていない場合であっても、排尿の筋肉が頑張りすぎて、急に尿意をもよおしてしまう
- 女性の頻尿の主な原因である
- 主な症状
- 頻尿・夜間排尿
- 主な原因
- 加齢や精神的ストレス
- 溜まった尿の量を感知する膀胱のセンサーが過敏になる
- 脳の中にある排尿を司る部分や自律神経の乱れ
- 40歳以上に多く、日本には約1,000万人近い患者がいると言われている
過活動膀胱の症状
- 尿意切迫感
- 尿意が予期せず突然起こり、トイレに駆け込む
- 尿失禁
- トイレに間に合わずに漏れる
- 頻尿
- 尿が頻繁に出る
- 夜間頻尿→寝ていても、尿意で何度も目が覚めてしまう
過活動膀胱の検査・診断
- 問診
- 過活動膀胱症状質問票(OABSS)などを使って、普段の症状について調べる(過活動膀胱の診療ガイドラインより)
- 腹部超音波検査
- 尿路(腎臓・尿管・膀胱)に異常がないか検査する
- 残尿測定
- トイレに行った後にどの程度の尿が膀胱内に残っているかを調べる
- 尿検査
- 尿中の白血球や赤血球の有無などを調べる
前立腺肥大症について
腫瘍によって前立腺が大きくなった状態を前立腺肥大と言い、その影響で排尿障害などの症状が現れた状態を前立腺肥大症といいます 。
高齢の男性によく見られる前立腺の良性腫瘍です。 トイレの回数が多い 、 尿が出にくい 、などが主な初期症状であり、未治療のまま放置していると膀胱から尿が出なくなったり、腎臓の機能が低下することがあります。 前立腺肥大症を治療する目的は尿を出しやすくすることです。
前立腺肥大症の検査・診断
- 尿検査
- 前立腺肥大症以外の病気(膀胱炎、膀胱がん)がないかの目安をつける
- 直腸診
- 肛門から指を入れて、腸の壁越しに前立腺を触れ前立腺表面の状態や前立腺の大きさを推定する
- 腹部超音波検査
- 前立腺の大きさを調べる
- 尿流測定(排尿の勢いの検査)
- 排尿の勢いや排尿時間などを調べる
- 残尿測定
- 超音波検査で排尿後どの程度残尿があるかを調べる
- 血液検査
- 前立腺がんの否定:PSAという腫瘍マーカーを調べる
前立腺肥大症の治療法
- 薬物療法:以下の薬は併用されることがあり、過活動膀胱の治療薬とも併用される
- α1遮断薬(ユリーフ®・ハルナール®・フリバス®など)
- 尿道を拡張させて排尿しやすくする
- デュタステリド(アボルブ®)
- 男性ホルモンを低下させ前立腺を小さくする
- PDE5阻害薬(ザルティア®)
- 平滑筋を弛緩させることにより膀胱や尿道の血流を改善する
- 抗男性ホルモン薬(プロスタール®)
- 男性ホルモンを低下させて前立腺を小さくする
- α1遮断薬(ユリーフ®・ハルナール®・フリバス®など)
- 手術