認知症について
認知症の早期発見や診断において重要な指標となる「長谷川式認知症スケール(HDS-R)」の概要と、
代表的な原因疾患であるアルツハイマー型認知症、およびその前段階とされる軽度認知障害(MCI)について解説します。
長谷川式認知症スケール(HDS-R)の判定基準と得点目安
判定結果が20点以下/30点の場合、認知症の疑いがあると判断されます。
※ただし、この点数だけで認知症と診断されるものではありません。
重症度別平均得点
| 軽度 | 19.10±5.04 |
|---|---|
| 中等度 | 15.43±3.68 |
| やや高度 | 10.73±5.40 |
| 非常に高度 | 4.04±2.62 |
アルツハイマー型認知症の主な症状と脳の変化
アルツハイマー病は、軽度認知障害や認知症の原因となる代表的な疾患です。
初期にはもの忘れなどの記憶障害で気づかれることが多いですが、比較的若年の方の場合は、もの忘れ以外の症状が目立つことも少なくありません。
軽度認知障害や認知症の原因となる脳の病気は多岐にわたり、身体疾患でも類似の症状が見られることがあるため、的確な診断が必要です。
アルツハイマー病の脳内では、アミロイドβと呼ばれるタンパク質が蓄積したり、リン酸化タウというタンパク質が塊を作って「神経原線維変化」と呼ばれる病変が生じたりします。
これらの影響で神経細胞が障害され、徐々に脳が萎縮していきます。
近年、このアミロイドβを標的とした治療薬(レカネマブ/製品名:レケンビⓇ点滴静注など)の開発が進んでいます。
用語解説:軽度認知障害と認知症の違い
| 軽度認知障害(MCI) | 記憶障害などの軽度の認知機能障害が認められますが、日常生活にはあまり支障を来さない程度であるため、認知症とは診断されない状態を指します。 |
|---|---|
| 認知症 | アルツハイマー病などの病気により、認知機能(記憶、見当識、言語、計算、理解など)の低下が認められ、日常生活に支障を来した状態を指します。 |
脳の病気だけでなく、さまざまな体の病気でもよく似た症状が出ることがあります。気になる症状があるときは、早めに医師や地域包括支援センターへ相談しましょう。
軽度認知障害(MCI)の定義と現状
軽度認知障害は「脳の機能が健常な状態」と「認知症」の中間の段階で、MCIとも呼ばれます。
記憶や判断などを行う脳の認知機能がいくらか低下しているものの、自立した日常生活を過ごせる状態を指します。
MCIの状態からさらに認知機能が低下し、日常生活に支障をきたして介護が必要な状態になると、認知症と診断されます。
しかし、必ずしも認知症に進むわけではありません。MCIの原因によっては現状が維持されたり、適切な対応により回復したりすることもあります。
