睡眠時無呼吸症候群について
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が止まることで身体に様々な症状や合併症を引き起こす病気です。
この疾患は大きく閉塞型と中枢型の2種類に分類されます。
睡眠時無呼吸症候群の分類と主な原因
無呼吸が発生する原因は、そのタイプによって異なります。
| 閉塞型 | 肥満、扁桃肥大、舌の大きさ、あるいは元々のあごが小さい骨格などが原因で、空気の通り道が塞がってしまいます。 |
|---|---|
| 中枢型 | 脳の疾患や心不全などにより、呼吸を司る指令が脳からうまく伝わらないことで起こります。 |
日常生活に現れる症状といびきの影響
睡眠中に十分な酸素が取り込めないため、日中や起床時に様々な影響が現れます。
特に居眠り運転による交通事故などのリスクも高まるため、早期の発見が重要です。
- 就寝中の激しいいびき
- 起床時の頭痛や身体のだるさ
- 日中の強い眠気
- 夜間の頻回な尿意
睡眠時無呼吸症候群の診断と検査の流れ
当院では、まず睡眠中の呼吸状態を評価するために、携帯型装置を用いた簡易睡眠ポリグラフ検査を実施しています。
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自宅での簡易検査
専用の装置を自宅に持ち帰り、就寝時に装着して呼吸状態を測定します。 -
精密検査の実施(必要時)
簡易検査の結果、さらに詳細な分析が必要な場合は、精密検査が可能な専門病院を紹介いたします。 -
診断と重症度の判定
1時間あたりの無呼吸と低呼吸を合わせた回数(AHI)を基準に、重症度を診断します。
簡易検査の費用は保険診療(1割から3割負担)が適用され、自己負担額の目安は900円から2,700円程度となります。
重症度の分類基準(AHI)
| 軽症 | AHI 5以上 15未満 |
|---|---|
| 中等症 | AHI 15以上 30未満 |
| 重症 | AHI 30以上 |
放置すると危険な合併症のリスク
睡眠時無呼吸症候群を治療せずに放置すると、多くの生活習慣病を合併しやすくなります。
重症患者さんの死亡率は、適切な治療を受けていない場合、健康な方と比較して数倍高くなることが報告されています。
- 循環器疾患:高血圧、心臓病(不整脈、虚血性心疾患、心不全など)
- 脳血管障害:脳梗塞、脳出血
- 代謝異常:糖尿病、脂質異常症
睡眠時無呼吸症候群の主な治療法
重症度や原因に合わせて、適切な治療法を選択します。
CPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)
鼻に装着したマスクから空気の圧力を送り込み、塞がった気道を広げる標準的な治療法です。
保険診療でこの治療を行うには、以下の基準を満たす必要があります。
- 簡易検査でAHIが40以上の重症の方
- 精密検査(PSG)でAHIが20以上の方
日中の眠気の改善だけでなく、血圧の低下や将来的な疾患リスクの軽減が期待できます。
効果を得るためには、1日4時間以上の使用が推奨されています。
その他の治療と生活習慣の改善
| 外科的手術 | 扁桃肥大などが原因の場合、扁桃摘出術などを行い物理的に気道を広げます。 |
|---|---|
| マウスピース | 下あごを前方に固定し、気道の閉塞を軽減します。歯科や口腔外科と連携して作成します。 |
| 生活習慣の改善 | ダイエット(減量)や節酒、横向きで寝る工夫などが有効です。 |
日中の疲労感が取れない、家族からいびきを指摘されるといった症状がある方は、お早めに医療機関へご相談ください。
